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「スーツのズボンが破れた。修理できる?」
「修理代はいくら?買い替えたほうがいい?」
結論からお伝えすると、スーツのズボンの破れは、多くの場合、修理できます。糸が切れただけの「ほつれ」なら1,000円前後から縫い直しでき、生地が破れた場合も「ミシン刺し(タタキ)」や「かけはぎ」で直せます。ただし、生地がテカっている・薄くなっている、サイズがきついといった場合は、修理してもまた破れやすいので、新しいスーツに替えるほうが結果的に安く済むこともあります。
この記事を読むとわかること
スーツのズボンの破れの修理方法と料金の目安、場所別の破れる原因と直し方、どこで修理できるか、出先での応急処置、修理するか買い替えるかの見極め方がわかります。
数千人以上のお客様のスーツ・シャツの採寸に携わり、フルオーダー・パターンオーダーの現場にも数多く立ち会ってきた実務経験と、筆者自身の修理の経験も交えて解説します。
まず確認:「ほつれ」か「生地の破れ」か
修理の方法と費用は、「糸が切れただけ」か「生地そのものが破れたか」で大きく変わります。
| 状態 | 修理方法 | 料金の目安 | 仕上がり |
|---|---|---|---|
| 糸が切れた(ほつれ) | 縫い直し | 1,000円前後〜 | ほぼ元通り |
| 生地が破れた(目立たない場所) | ミシン刺し(タタキ) | 2,000円前後〜 | 修理したことがわかる |
| 生地が破れた(目立つ場所) | かけはぎ(かけつぎ) | 数千円〜。大きいと1万円を超えることも | 目立ちにくいが、元通りにはならない |
※料金は破れの大きさや場所、お店によって大きく変わります。必ず事前に見積もりを確認してください。
ほつれた糸は、無理に引っ張らないでください。ほつれが広がったり、生地を傷めたりする原因になります。
糸が切れただけなら「縫い直し」で直る
裾やポケットの端など、糸が切れただけのほつれは、縫い直しで購入時に近い状態に戻せます。仕上がりまでは1週間前後が目安です。
裾のほつれを直すときは、ミシンではなく「手まつり(手縫い)」で仕上げてもらえるか聞いてみるのがおすすめです。手縫いは糸にほどよいゆとりが生まれるため、歩くときにかかとが引っかかっても糸が切れにくくなります。
生地が破れたら「ミシン刺し」か「かけはぎ」
安く丈夫に直すなら「ミシン刺し(タタキ)」
ミシン刺し(タタキ)は、破れた部分の裏に当て布をして、細かく縫い固めて穴をふさぐ方法です。料金が比較的安く、強度も出ますが、縫い跡が表から見えるため、修理したことがわかります。股の内側など、人から見えにくい場所の修理に向いています。
目立たないように直すなら「かけはぎ」
かけはぎ(関西では「かけつぎ」とも呼ばれます)は、同じ生地の糸を1本ずつ手作業で織り込んで、穴をふさぐ方法です。ミシン刺しよりもずっと目立ちにくく仕上がりますが、職人の手作業なので料金は高く、破れが大きいと1万円を超えることもあります。太ももや膝など、目立つ場所が破れた大切なスーツに向いています。
かけはぎには「共布(ともぬの)」が必要です。スーツを買ったときに付いてくる生地の端切れがあれば、捨てずに持って行きましょう。なくしてしまった場合も、裾の折り返しの内側など、見えない部分から生地を取って使えることがあるので、お店に相談してみてください(裾の仕様や破れの大きさによってはできません)。
「新品同様」には戻らないことも知っておく
長く着ているスーツは、日光やクリーニングで少しずつ色があせています。そのため、保管していた共布でかけはぎをしても、直した部分だけ色が濃く見えてしまうことがあります。修理は「今より目立たなくなれば十分」という気持ちで頼むのがおすすめです。
場所別:スーツのズボンが破れる原因とおすすめの修理
スーツのズボンには、破れやすい場所があります。場所ごとの原因と、おすすめの修理方法をまとめました。
| 場所 | 主な原因 | おすすめの修理 |
|---|---|---|
| 股(内もも) | 歩行や自転車での摩擦、太ももがきついサイズ | ミシン刺し |
| 後ろポケットの端 | ポケットに物を入れる、座ったときの負担 | ミシン刺し、縫い補強 |
| お尻の真ん中の縫い目 | 体型の変化でサイズがきつい | 糸だけなら縫い直し。生地が破れたらかけはぎか買い替え |
| ひっかけ(カギ裂き) | 机の角などに引っかけた | 目立つ場所ならかけはぎ |
| 虫食い・タバコの焦げ穴 | 汚れたまま保管した、不注意 | 小さければかけはぎ |
| 裾 | かかとが引っかかって糸が切れる | 縫い直し(手まつりがおすすめ) |
| ファスナーまわり | ウエストがきつい | 縫い直し。サイズが原因ならすぐ再発する |
| 脇の縫い目 | 太ももがきつい、ポケットに物を入れすぎ | 縫い直し |
破れやすいのは、股、後ろポケット、お尻、裾、ファスナーまわりです。場所ごとの詳しい原因と対策は、こちらの記事でも紹介しています。
スーツの修理はどこでできる?
スーツの修理は、まず「スーツを買ったお店(ブランド)」に相談するのが基本です。ほかのお店で買ったスーツは、お直し専門店やクリーニング店に頼みましょう。
| お店 | 特徴 |
|---|---|
| スーツを買ったお店(ブランド) | そのスーツの生地や作りに詳しく、一番安心。洋服の青山やAOKIなどの量販店も、自分の店で買ったスーツなら修理の相談を受け付けていることが多い。ほかのお店やブランドで買ったスーツは、基本的に断られることが多い |
| クリーニング店 | 簡単なほつれ直しやミシン刺しに対応している店舗が多い |
| お直し専門店 | 駅ビルなどに入っていることが多く、どこで買ったスーツでも相談できる。かけはぎなど難しい修理にも対応 |
ほかのお店で買ったスーツは、購入店以外では断られやすい
スーツを売っているお店の修理は、基本的にそのお店やブランドで買ったスーツが対象です。ほかのお店やブランドで買ったスーツを持ち込んでも、断られることが多いと考えておきましょう。生地や作りがわからないスーツは、修理で何かあったときにお店が責任を持てないためです。
「青山で買ったスーツは青山へ」「AOKIで買ったスーツはAOKIへ」と、買ったお店に持ち込むのが基本です。購入店が遠い、閉店してしまった、もらいもので買ったお店がわからない、という場合は、どこで買ったスーツでも受け付けてくれるお直し専門店に相談しましょう。
対応できる修理や料金は、お店によって異なります。持ち込む前に、電話で対応できるかを確認しておくと安心です。
修理に持って行くときは、きれいな状態で
修理を頼むときは、スーツをできるだけきれいな状態にして持って行きましょう。くしゃくしゃに丸めたまま、シワだらけ、汗やタバコのニオイが付いたままのスーツは、受け取る販売員や修理の職人も気持ちよく作業できません。ていねいに扱われたスーツは、相談もしやすく、仕上がりの確認もスムーズです。
- ハンガーに掛けるか、きれいにたたんで袋に入れる:紙袋に丸めて入れるのは避け、シワが付かないように持って行きます。
- ブラッシングして、ホコリや汚れを落とす:汚れやニオイが気になるときは、先にクリーニングに出しておくと安心です。
- ポケットの中身を出しておく:レシートやハンカチなどが入ったままにならないよう確認しましょう。
- 共布があれば一緒に持って行く:かけはぎを頼むときに必要になります。
買ってすぐに破れたら、まず購入店へ
買ったばかりのスーツがすぐに破れた場合は、自分でお直し店に持ち込む前に、まず購入したお店に相談しましょう。生地や縫製に問題がなかったか、お店で確認してもらえることがあります。先にほかのお店で修理してしまうと、確認ができなくなるので注意してください。
筆者自身は、どう修理しているか
毎日スーツを着ている筆者自身は、人から見えない股の内側などの小さな破れを、ミシン刺しで直すことがほとんどです。かけはぎは、これまでに何度か頼んだことがありますが、修理の跡が気になって着る回数が減り、結局着なくなってしまいました。
目立つ場所にミシン刺しの跡があるスーツを人前で着るのは気が引けますし、1万円以上のかけはぎ代を払うなら、新しいスーツに回したほうが満足度が高い、というのが筆者の考えです。
見落としがちな失敗:寿命がきたスーツに高い修理代を払う
採寸の現場でよく見かけるのが、生地そのものが寿命を迎えているスーツに、高い修理代をかけてしまう失敗です。次のような状態なら、高い修理はおすすめしません。
- お尻や太ももの生地が、擦れてテカテカに光っている
- 生地全体が薄くなり、へたっている
- 体型が変わって、サイズがきつくなっている
サイズがきつかったり、生地が弱っていたりすると、かけはぎで1か所を直しても、すぐ隣や別の場所がまた破れてしまうことが少なくありません。この場合は、修理代を新しいスーツに回すほうが、結果的に長持ちして経済的です。
出先でズボンが破れたときの応急処置
着替える時間がないときは、応急処置で1日を乗り切りましょう。ただし、あくまで一時しのぎです。
| 方法 | 良い点 | 注意点 |
|---|---|---|
| ホッチキスで裏から留める | 針が細く、表から目立ちにくい | 座るとすぐに外れやすい |
| 安全ピンで裏から留める | ホッチキスより外れにくい | 肌に当たり、ピンのまわりの生地に負担がかかって破れが広がることも |
| 裾上げテープで貼る | 裾のほつれなら、アイロンで接着して確実に留められる | アイロンが必要。後日きちんと修理に出す |
裾のほつれは、アイロンで接着できる「裾上げテープ」が一番確実です。出張先や急なトラブルに備えて、カバンやデスクに一つ入れておくと安心です。
▼ 裾がほつれたときの応急処置に、アイロンで貼れる裾上げテープ
買い替えるなら「ゆとり」と「ツーパンツ」で破れにくく
ズボンが何度も破れる方は、次のスーツを、お尻や太ももにゆとりのあるサイズで選び、ズボンを2本用意すると長持ちします。
突発的な事故を除けば、ズボンが破れる大きな原因は「サイズが合っていないこと」と「同じズボンをはき続けること」です。量販店のスーツで十分という方も多いですが、何度も破れて困っている方は、上着とズボンをそれぞれ体に合わせられるオーダースーツも検討してみてください。同じ生地のズボンを2本作る「ツーパンツ」にすれば、交互にはいて傷みを分散できます。
店舗でプロに相談しながら作るなら「オーダースーツSADA」
全国に店舗があり、スタッフに直接採寸してもらえるオーダースーツ店です。「ズボンがすぐ破れる」と伝えれば、お尻や太もものゆとりを相談しながら決められます。初回は21,780円(税込)から作れ(初めての方限定・対象生地のみ)、スペアパンツを追加してツーパンツにすることもできます。一度採寸すれば、2着目以降はネットショップからも注文できます。
注意点:来店が必要で、仕上がりまで約1か月かかります。スペアパンツは追加料金がかかります。
▼ ズボンのゆとりを、店舗でプロに相談しながら作るならこちら
オーダースーツSADA
店に行かずに作るなら「Suit Ya」
ネットで注文が完結するオーダースーツ店で、29,800円(税込)から作れます。スペアパンツを付けてツーパンツにでき、初回の注文ではスペアパンツもジャストサイズ保証の対象になります。
注意点:店舗がないため試着はできず、自分で採寸する必要があります。手持ちのスーツを送ってサイズを測ってもらう「採寸代行」も選べますが、採寸代行で注文した場合は、初回のジャストサイズ保証の対象外になります。保証を使いたい方は、公式の案内どおりに自分で採寸して注文しましょう。
▼ 店に行かずに、ツーパンツのスーツを作るならこちら
オーダースーツ・シャツをネットで注文|高品質・サイズ保証【Suit ya】
※価格は2026年10月時点の情報です。最新価格は必ず公式サイトでご確認ください。
スーツのズボンの破れのよくある質問
Q. スーツのズボンの破れは修理できますか?
多くの場合、修理できます。糸が切れただけなら縫い直し、生地が破れた場合はミシン刺し(タタキ)やかけはぎで直せます。ただし、生地がテカっていたり薄くなっていたりする場合は、修理してもまた破れやすいので、買い替えも検討しましょう。
Q. かけはぎの料金はいくらですか?
破れの大きさや場所、お店によって大きく変わりますが、数千円からが目安で、破れが大きいと1万円を超えることもあります。必ず事前に見積もりを確認してください。
Q. 洋服の青山やAOKIで買ったスーツは、購入店で修理できますか?
自分の店で買ったスーツなら、修理の相談を受け付けていることが多いです。ただし、ほかのお店やブランドで買ったスーツは、基本的に断られることが多いので、その場合はお直し専門店に相談しましょう。料金は店舗や破れの状態によって異なるので、持ち込む前に確認してください。
Q. ズボンの股が破れるのを防ぐ方法はありますか?
股の内側に補強の当て布(シック)が付いているか確認し、付いていなければお直し店などで付けてもらうのが効果的です。太ももにゆとりのあるサイズを選び、ズボンを2本用意して交互にはくのもおすすめです。
まとめ|破れたら「状態」と「スーツの寿命」で判断する
- 糸が切れただけなら縫い直し(1,000円前後〜)で、ほぼ元通りに直る
- 生地の破れは、目立たない場所ならミシン刺し、目立つ場所ならかけはぎ
- 修理はまず購入店(ブランド)へ。ほかで買ったスーツは断られやすいので、お直し専門店に
- 修理に持って行くときは、シワや汚れ、ニオイのないきれいな状態で
- 生地がテカっている、薄い、サイズがきつい場合は、修理より買い替えを
- 出先では、裾のほつれなら裾上げテープが確実
- 何度も破れるなら、次のスーツはゆとりのあるサイズとツーパンツで
破れの状態に合った直し方を選べば、お気に入りのスーツを無理なく長く着られますし、寿命を迎えたスーツは、体に合った新しい1着に替えるきっかけにもなります。









